成功事例
早期のプロトタイプ化で実務に合わせて検証
「思っていたものと違う」を防ぎイメージ通りのシステムに
長田電機工業株式会社は歯科医療機器メーカーの老舗として、長年業界をリードしてきました。
『大臣エンタープライズ 販売管理』の導入で、複雑化を極めていた業務を改善。早い段階からプロトタイプを実際に操作して要望を反映できる事が、スムーズな本稼働に大きく貢献しました。
プロトタイプのブラッシュアップでイメージ通りのシステムが完成
スクラッチ開発では、画面や操作性を完成まで確認できず、システム開発会社とユーザーとの間に認識の齟齬がしばしば生まれます。長田電機工業では、マスタや入力画面を設定した『大臣エンタープライズ』のプロトタイプを要件定義の段階から構築。ユーザーが実際に操作・検証しながらプロジェクトを進められました。
「プロトタイプを操作してみて画面や項目の変更を依頼、反映されたものをまた操作して確かめる流れを繰り返し、業務にフィットしたシステムに仕上がりました。」(皆川氏)
要望を吸収してブラッシュアップを重ねたシステムは『思っていたものと違う』という齟齬がなく、当初のイメージからブレることなく安定して本稼働を迎えられました。
「プロジェクトメンバーとして、操作できる環境がある事はとても安心できました。旧システムとの違いに気づけますし、システム開発会社との意思疎通もしやすかったです。口頭や書面だけでは理解できなかったと思います。」(關口氏)
ギャップ検討がユーザー側で可能。標準機能の応用でカスタマイズを圧縮
プロトタイプ導入のメリットはこれだけではありません。同社では、システム機能と実際の業務とのギャップを標準機能の応用で対応できないか、テスト環境を活用して具体的に検討しました。
「標準機能では対応できない要望があった際も『この機能をこう使えば解決できるのではないか』という検討が自分達ででき、カスタマイズをせずに済んでいます。」(關口氏)
「今回のシステムリプレイスでは、パッケージのスタンダードな仕組みに合わせて、煩雑だった業務をシンプルにする狙いがありました。追加開発やアドオンも極力行わずに標準機能で対応できています。」(池田氏)
画面も『直感的に操作しやすい』と現場スタッフの關口氏、神宮司氏、加藤氏から好評。将来、社員の入れ替わりがあっても使い続けられるような、操作性に優れたシステムを導入するという同社の目的にもかなっていました。
診療ユニット全体を自社ブランド提供。お客様第一のものづくりを
日本の歯科医療機器を支える長田電機工業のものづくりには、診療空間を快適にするためのこだわりがあります。
「診療台や治療器具などユニット全体の製造・販売・サポートまで自社で一貫して行っているのが強みです。患者様の不安を緩和する椅子の動きやバリアフリータイプなど、人間工学に配慮して設計しています。」(皆川氏)
このほか、人間が最もリラックスできる『ゼログラビティ(無重力)』と呼ばれる姿勢を取り入れた予防ケア専用ユニットや、持ち運びができるコンパクトなレーザー治療器など、用途に応じたラインナップが多彩です。
「特に高齢化社会・在宅医療のニーズ増加には早くから着目し、自宅や外出先の施設でも診療を提供できるポータブル訪問診療ユニットを開発してきました。お客様の要望を技術スタッフが直接ヒアリングして製品へフィードバックし、満足度の高い製品づくりに努めています。」(池田氏)
現場の要望を集約してシステムを継続的に成長させていく
長田電機工業では、今後もシステムを継続的に拡張させていく体制を維持していきます。
「業務の標準化を目指し、現場の要望をどんどん集めていきたいと考えています。そのためにも、今回のプロジェクトを継続し、システム化できていない領域や効率化できていない業務を『大臣エンタープライズ』に取り込んでいきたいと考えています。」(池田氏)
※本事例の記載内容は取材時(2018年8月)のものです。
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