成功事例
『大臣エンタープライズ』で実現する正確な在庫・受注管理
最低限のカスタマイズで工数を大幅に削減
PC・スマートフォン周辺機器などの開発・製造・販売を手がけるラトックシステム株式会社。いま急速に売れているIoTデバイスが特に注目されています。
2019年11月に『大臣エンタープライズ販売管理』を導入。極力パッケージの標準機能を活用し、カスタマイズを最低限に抑えることで工数を大幅に削減することができました。
家電リモコンや見守りカメラで快適なスマートホームを実現
PC、スマホ周辺機器やオーディオ機器メーカーであるラトックシステムでは、開発、製造、販売まで一貫して行えるのが強みです。近年の売れ筋No.1であるIoTデバイス『スマート家電リモコン』について伺いました。
「スマホやスマートスピーカとWi-Fi接続して、赤外線で家電を操作する小型リモコンです。Google Homeなどのスマートスピーカーで『テレビをつけて』と呼びかけたり、帰宅前にスマホでエアコンをオンにするといった遠隔操作ができます。家にある家電がインターネット接続に対応していなくても使えるので、頻繁な買い換えが難しいエアコンやテレビ、照明によく使われますね。スマートスピーカーの普及で急激に売上が伸び、累計出荷数が30万個を超える人気製品です。」(佐々木氏)
離れた場所から家族の映像が確認できる『ieCame(イエカメ)』も、共働き家庭にとって注目製品です。
「外出中に家の内外の映像を確認でき、人間が映るとスマホに通知されるネットワークカメラで、子どもや高齢家族の見守り、不審者チェックなどに活用したり、玄関を映して、宅配の配達員を確認するといった事ができます。今年のコロナ禍で、子どもが急な休校で留守番しないといけないなどの状況でニーズが増えた製品でもあります。」(佐々木氏)
テレワークや空気質の見える化製品も。多様なニーズに合った製品を提供
高画質ビデオキャプチャーも急速に広がったテレワークで活躍し、ニーズが急増している製品のひとつです。
「HDMI出力機能のあるビデオカメラや一眼レフなどの映像を映すための製品で、web会議やセミナー配信に活用されています。
また、空気中のCO2(二酸化炭素)濃度を見える化して効率的に換気を実施できる環境センサーも発売予定です。『3密』の回避や会議室などでの集中力低下の防止対策として、こちらもすでに多くの引き合いをいただいています。」(佐々木氏)
さらに、2020年6月に義務化されたHACCP(ハサップ)に対応した食品業界向けの温度管理システムも新発売されました。
未来在庫の引当で在庫を正確に把握。部分的なカスタマイズで工数圧縮
「基本的にはパッケージの標準機能で運用し、部分的にオプションやカスタマイズを使っています。」(佐々木氏)
同社では『大臣エンタープライズ』での販売管理において、入荷予定の製品に対して在庫引当を行っています。
「実在庫ではないけれども入荷予定の製品(未来在庫)に対して注文を引き当てて、得意先からの受注があった際に出荷予定日として納期を回答します。この引当処理に、ロット管理オプションを活用しています。入荷予定数に対して在庫を確認し、あとどれぐらい新規受注できるかも管理しています。」(佐々木氏)
通常は製品入荷後にロットの在庫データに反映されますが、生産中でも入荷が確定した製品についてはロットマスターを生成し、入荷予定のフラグを設定する事で、この処理を可能にしています。日々多くの製品が入出荷される中で、正確な在庫把握・受注管理のために重要な処理です。
さらに、後述のEDIでも適切なロットが自動引当されるようにカスタマイズ。標準機能をベースにした部分的なカスタマイズとオプションで、工数を大幅に圧縮できています。
EDIの得意先仕様変更に対応、高速処理+クラウド運用も好影響
ラトックシステムでは、複数の得意先からの受注において、EDIを導入しています。EDIは、紙やメールではなく、専用回線などを通じて電子データで取引を行う手法です。
「現在、ある得意先のEDIの仕様変更に対応しているのですが、こうした各社の仕様変更や新規追加などに対応できる体制を『大臣エンタープライズ』で整えられているので、安心です。」(佐々木氏)
処理速度も格段に上がりました。
「電話での問い合わせの際、注文検索や在庫参照の時間が短縮され、数分かかっていたのが1分以内に回答できるようになりました。その場で回答できない時は折り返しの電話をしなければならないので、速度は重要なんです。また、クラウド運用に移行した事で、サーバ管理の負担がなくなり、実行環境も拡張できるようになりました。」(佐々木氏)
IoTビジネスの拡大とシステムのさらなる理解・活用を目指す
自社のIoTプロダクトを活かし、ソリューション製品展開の強化を目指す同社。その販売管理において、『大臣エンタープライズ』をフル活用していきたいと話します。
「売上分析機能をはじめ、使えていない機能や以前のシステムにはなかった機能がまだあります。『大臣エンタープライズ』への理解をより深めて、もっと便利に活用できるようになればと考えています。」(佐々木氏)
※本事例の記載内容は取材時(2020年9月)のものです。
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